花見山はなみやま-標高1188m-新見市千屋花見

           山陰山陽、双方の山野草が自生する新見市内の最高峰



 平安朝時代の和歌に「ちや野」と詠まれている千屋は古くから栄え、花見山も「きのふかも宿は出しにかへるさをわするる春の花見山哉」と詠まれ親しまれてきた。名はふもとの花見村にちなむと伝わり、鳥取側では小栗ケ山とも呼ばれている。


 
 
     千屋花見と鳥取県日南町にまたがる新見市内最高峰。山陽と山陰、双方の山野草が自生し、早秋の登山道はサラシナショウマ、キバナアキギリ、ツリフネソウ、ツルリンドウなどかれんな花々でにぎわう。
 登山道は新見千屋温泉いぶきの里からキャンプ場、下の谷の滝を経由する南コース、水源保全林、千年樹の森を通る北コース、日南町の花見山スキー場からの北上コースの3つがあり、今回は温泉を発着点に南コースを上り、北コースへと下る。 
   
     舗装道路を歩いてキャンプ場を抜け、スキー場ゲレンデの斜面に沿って上る。林に伸びる整備された遊歩道を進み、15分ほどで第一休憩舎。東から北東にかけて展望があり、剣山、三日月山が正面に見える。 
     
     
 更に15分ほど進むと第二休憩舎。少し休んで樹林帯を5分ほど進んだ左手に「花見山あっち」と書かれた標識がある。ここが下の谷の滝と山頂への分岐点で、滝方向に歩くこと10分。水しぶきを上げて清流が岩肌を滑り落ちる見事な景色に出合う。 
 標識があった分岐点に戻り、山頂を目指して登山道に入る。植林地の急斜面を上り、県境の尾根に出る。ここには「頂上あっち」の標識があり、左が頂上、右が千年樹の森を差す。
      左へと尾根を歩き、緩やかな勾配を上り下りして20分で山頂に到着。中央にテーブルを据えた立派な休憩舎がある。山頂は大山や中国山地の山々が望め、上石見の集落が眼下に広がる雄大な風景。休憩舎周囲の茂みでは、山野草が花を咲かせ、チョウが飛び交う。
     
     下山は上ってきた尾根を下り、「頂上あっち」の標識を左手に見て千年樹の森へ。赤いテープに従って水源保全林の中を下って、林道を通り温泉に戻る。