神郷三国山しんごうさんごくさん-標高1126m-新見市神郷油野

         春はしゃくなげ、秋は紅葉、せせらぎを聞きながら頂を目指す


 備中国、備後国、伯耆国の境にあることから付いた。現在も岡山、広島、鳥取の県境に位置する。ブナの原生林が広がる森だったが、岡山県側は植林が進んで大部分が針葉樹に。ブナは中腹の約50㌶に残るのみ。

   
山頂への進入路は、石楠花(しゃくなげ)の自生地として名高い神郷油野三室。足立から油野集落を経て、三室川ダムの湖岸、「しゃくなげ展望台」を左手に見て県道を進む。三室の地名は、夏に氷を官に献上するための氷室があったからだという。石楠花は4月下旬から5月上旬に掛けて淡い紅色の花を咲かせ、展望台周辺の春の景色は絶品。
 
   
しゃくなげ展望台

      三室集落を通り過ぎ、アマゴ養殖池の辺りで車を降りる。登山口は県道から林道に入った先だ。沢沿いの林道を100㍍ほど行くと鎖を張ったゲートがあり、脇を通って更に進む。分岐に差し掛かかると「三国山」「あっち」と書かれた標識があり、矢印が示す左へ。緩やかな坂道が山中へと続き、30分ほどで登山口。「三國山登山口」と刻まれた立派な自然石が左手にある。
       
      登山口からは植林地の急斜面をつづらに折れながら上っていく。上り詰めると鳥取境の尾根道。木々に囲まれて眺望はないが、緩やかな傾斜で歩きやすい。尾根を 南へ回り込んで上り切ったあと、少し下って再び上った先が頂上。展望は北西方向がわずかに開け、鳥取県と広島県にまたがる道後山がすぐそこに見える。
 鳥取県側は広葉樹が多く、赤や黄に葉を染める秋の景色に期待が高まる。下山は上った道を引き返す。
       
     
鳥取と広島にまたがる「道後山」